 
 
        川上編
山には豊富な森林資源
新潟県の森林資源はたいへん充実しています。
■県内では、戦後植林されたスギ人工林の面積が13万haに及び、一年間で成長する量(素材換算)は89万m3に達しています。これは、1年間に新潟県で消費する丸太の量(製材用)48万m3を十分に賄える量に当たり、丸太の需要を全て新潟の木で賄っても森林の蓄積が減ることはありません

■スギ人工林は成長し、この20年間に森林資源量は約二倍になりました。

■スギ人工林の成長量は、木材供給量を上回っています。
        また、外材が木材供給の8割を占めています。

■本数を調整して、競争を緩和する必要がある45年生までのスギ林が多く、間伐などの保育作業が必要です。
        一方、建築資材に活用可能な46年生以上の木も多く、これらの有効活用が緊急の課題です。

[参考]
        伐採が可能なスギ人工林(民有林51年生以上)のボリュームは、全国で第1位です。
          第1位 新潟県
          第2位 大分県
          第3位 秋田県
こんなにある森林の役割
県産材は再生可能な資源です
県産材は、造林~保育~伐採~再造林を繰り返すことで、再生可能な資源として利用できます。
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| スギ人工林 | 植栽 | 
 
          |  |  | 
| 下刈作業 | 間伐実施林 | 
新潟県の森林は私たちの生活環境にいろいろ役立っています
(1)森林は水を貯えます。
 森林は、土の層が厚く、無数の空隙があるので、水を多く貯え、ゆっくりと時間をかけて地下に移動させ、川に流れ込むようにします。そのため、急な増水や日照りの時の渇水などが起こらないような働きがあります。
 森林は、土の層が厚く、無数の空隙があるので、水を多く貯え、ゆっくりと時間をかけて地下に移動させ、川に流れ込むようにします。そのため、急な増水や日照りの時の渇水などが起こらないような働きがあります。
(林業白書より)
(2)森林は土砂が下流に流れるのを防いでいます。
 森林の土壌は、たくさんの落ち葉や枯れ枝があり、 雨が降ってもそれがクッションの役割をして、土砂が 流出するのを防ぐ機能をもっています。
 森林の土壌は、たくさんの落ち葉や枯れ枝があり、 雨が降ってもそれがクッションの役割をして、土砂が 流出するのを防ぐ機能をもっています。
(林業白書より)
(3)森林は心に安らぎを与えてくれます。
 植物が発するフィトンチットは、体をリフレッシュさせる働きがあります。
 植物が発するフィトンチットは、体をリフレッシュさせる働きがあります。
キャンプや教育の場としても利用されます。
 
 
(4)森林は二酸化炭素を吸収・固定し、地球温暖化防止に役立っています。
 植物は光合成によって、大気中の二酸化炭素を吸収し、炭水化物に変え、樹木の幹、枝、葉などに貯えます。
 植物は光合成によって、大気中の二酸化炭素を吸収し、炭水化物に変え、樹木の幹、枝、葉などに貯えます。
        土壌中にも枯葉や枯れ枝となって二酸化炭素は長時間、貯えられます。
        森林は、二酸化炭素の巨大 タンクとも言えます。
●木の重量の約50%が炭素で出来ています。
        樹齢50年のスギ(樹高22m、直径26cm)を例にすると
        ・全炭素貯蔵量は、1本当り190kg
        ・年間平均3.8kgの炭素を吸収していることになります。
        (森のセミナーNo.3地球と森林より)
川中編
品質・性能の明確な製品を安定供給
「越後杉ブランド」は、安全・安心な住宅資材です
【特徴】
        (1) 県産スギ材を原材料としています。
        (2) 乾燥しており、狂いが少ない。
        (3) 強度が明確で構造上安全な家づくりが可能です。
■一本一本強度を測定して出荷しています。
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| 打撃振動式のグレーディングマシンで、一本一本強度や含水率を測定しています。 | 品質技術管理員により検査されたブランド材は認証票を貼付されて、「越後杉ブランド証明書」と共に出荷されます。 | 
県内各地で県産材製品の供給体制を整備しています
大規模工場から地域連携型工場まで、それぞれの地域特性に合ったいろいろな供給体制を整備しています。
■住宅に使用するあらゆる部材を生産し、供給する原木消費約3万m3の大規模工場。
 
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| 原木の入荷 | 木材乾燥機 | 
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| 製材 | 集成材の加工 | 
●地域でいくつかの工場が連携し、さまざまな製品の供給する地域連携型工場。
 
        
        川下編
環境にやさしい、健康な家づくり
県産材住宅は、環境にやさしい住宅です
木造住宅は鉄筋コンクリート住宅に比べて建物を新築・廃棄するときのエネルギー消費量が少ないことがわかっています。また、県産材は外材などに比べて木材生産地からの距離が短いため運搬で消費するエネルギーも少なくすみます。
        また、住宅に使われる主な材料をつくる時の二酸化炭素の放出量を計算してみると、木造住宅は鉄筋コンクリート住宅に比べて1/4の放出量ですむことがわかりました。
        さらに、木造住宅には鉄筋コンクリート住宅に比べて約3倍の炭素が蓄えられるので、地球温暖化防止に大きく役立ちます。
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          (林業白書より)
木材は優れた住宅資材です
(1)優れた強度
        木材はコンクリートや鉄に比べて軽いわりに強いことが分かっています。
        また、木材の欠点といわれる狂いや割れは、あらかじめ十分に乾燥させてから加工することで防ぐことができます。乾燥が十分な木材は強さや断熱性が高く、腐りにくくなり長持ちします。
■各種素材料の比強度

 
(2)調湿効果
        部屋の内装に木材を使った場合や、木の柱や梁、桁などをそのまま見せる真壁構造の場合には、湿度の変化の幅が、そうでない部屋に比べて小さいことが分かっています。
■木材を使った部屋の相対湿度
        
        ※相対湿度とは、その温度の空気中に限界まで水を含ませたときの水蒸気の圧力(飽和水蒸気圧)に対して、現在何パーセントの圧力の水蒸気があるかを%で示したものです。

 (3)断熱効果
 (3)断熱効果
        木材は熱を伝えにくく、断熱材と同じような効果が期待できます。このため、触ると暖かく感じ床材として使用した場合は、他の材料よりも足の冷えを防ぎます。
        出典:「建築アラカルト」
(4)衝撃緩和効果
        人が転んだり、壁に衝突した場合などの瞬間的な衝撃力に対しては、たわみを生じさせることで衝撃をやわらげます。
| ■県産材を使った木床の事例 | ■木材で違う衝撃吸収力 | |
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(5)健康な住環境
        木材の香りには防虫・防菌効果の他にも、人の気分を爽快にさせたり、、脈拍数を低減させる作用のあることが明らかになっています。特に、スギやヒバの香りは、気分を落ち着かせる鎮静作用があることが判明し、ストレス軽減に効果があります。
        全国の小・中学校の先生を対象に「蓄積的疲労徴候の訴え率」を調べた調査では、鉄筋コンクリート校舎に比べて、木造校舎と鉄筋コンクリート内装木質校舎の方が疲労徴候が少ない結果となっています。
■蓄積的疲労兆候訴え率
 
          県内においても、木が持っている特性が人の生理面、健康面に良い影響を与えることや、循環型社会にふさわしい再生可能な天然資源であることなどから、木材の利用が注目されてきています。
■教室に木材を使用した県内の事例 沼垂小学校つどいの木の部屋:新潟市
 鉄筋コンクリート造の校舎の中に設けられた、木材で内装された教室。
 鉄筋コンクリート造の校舎の中に設けられた、木材で内装された教室。
        出典:「新潟県木造施設事例集」新潟県農林水産部林政課
山と海は深いつながり
森林の豊かさが海の豊かさを支えています
魚にとって森林は大切な働き
        (1)川の水量、水質、水温を安定させます。
        (2)海に濁り水が出るのを抑えます。
        (3)海にミネラルを供給して海藻やプランクトンを増やします。
        (4)海藻が増えると魚や貝を増やしたり、海水をきれいにします。
|  | これらの理由から、漁業に携わる人たちも植林を始めました。 ○岩船地区「さけの森づくり推進協議会」 | 
|  | 森林を育む作業の結果として産出される間伐材。 | 
|  | 佐渡地区加茂湖畔の埋設状況。 | 
県産材をお薦めする理由(使用事例編)~いろいろなところで県産材は使用されています~
県産材の使用事例(学校・幼稚園・保育園)
■木造校舎(岩船郡山北町 さんぽく南小学校)
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| 山北産のスギの大径材や集成材をふんだんに使用した木造校舎です。 | 内部は、階段や壁、木製サッシに県産スギの集成材を使用しています。 | 
■学習机、椅子(新井南小学校)
|  | 間伐材の学習机と椅子を入れた教室の風景です。 | 
■保育園の床(加茂新田保育園)
|  | 県産スギを床に使用しています。 | 
県産材の使用事例(公園等)
|  | 間伐材で作られた手で触れると暖かい木製遊具です。 | 
県産材の使用事例(公園等)
|  | 朱鷺メッセ信濃川岸の歩道にも、踏み板に県産スギを使用しています。 | 
県産材使用事例(公共事業)
|  | ・海岸林防風工(新潟市浦山) | 
県産材使用事例(木橋)
|  | ・木橋(岩船郡山北町 町道「八幡橋」) | 











